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遺族厚生年金の改定について

年金

2025.06.09

 今回は、遺族厚生年金の見直しにスポットを当てて解説いたします。

 2025年提出の年金制度改正法案は、長年「男女差が大きすぎる」と批判されてきた遺族厚生年金にメスを入れます。現在、子どものいない妻が30歳以上で夫に先立たれると年齢を問わず生涯年金を受け取れる一方、夫は55歳未満ではそもそも受給権がありませんでした。高度経済成長期の「専業主婦と大黒柱」という家族像を前提にした仕組みが、共働きが当たり前となった令和の現実と乖離している――これが見直しの出発点です。

 改正案の核心は「5年間の有期給付化」。対象は18歳以下の子どもがいない20〜50代の遺族で、男女ともに同じ取扱いに統一されます。これにより、従来の終身給付と比べて総額は減りますが、再就職やライフプランの立て直しに集中できるよう、**最初の5年間は給付額を約1.3倍に増やす『有期給付加算』**が上乗せされます。つまり「長さより厚み」で生活再建を後押しする設計です。

 もっとも「5年で打ち切り」は過酷だという声もあります。そこで政府は継続給付を用意しました。障害年金の等級に該当する人や、就労収入が年122万円以下の低所得者は、5年経過後も増額後の年金を全部または一部受け取れます。収入が増えるに従って年金が逓減する“グラデーション”方式なので、「働いたら即ゼロになる」心配はありません。

 もう一つの注目点が死亡時分割(仮称)制度です。配偶者が亡くなった時点で、その婚姻期間中の厚生年金記録を遺族の年金記録に分ける仕組みが新設されます。将来自分が受け取る老齢厚生年金が増えるため、「短期給付が終わった後の老後が不安」という声に一定の答えを示す措置といえるでしょう。

 気になる「突然大幅カットされるのか」という疑問については、現に受給中の人、60歳以降に受給権が発生する人、未成年の子どもがいる家庭、2028年度に40歳以上の女性などは現行制度を維持する経過措置が明示されています。すでに生活設計を立てている世帯への影響は限定的です。

 今回の見直しは「男女差の解消」と「生活再建重視」がキーワードです。ただし終身給付から5年有期へのインパクトは小さくありません。該当世代の方は①ライフプランの再確認、②保険や貯蓄など私的保障の上乗せ、③再就職支援制度の活用を早めに検討しておくことが重要です。制度は変わりますが、準備を整えれば生活の安心は自分で守れます。改正内容を正しく理解し、将来設計にぜひ生かしてください。

 

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